
「無料で使えるVPNがあるって聞いたんだけど、本当に無料でいいの?」
VPNを調べ始めた頃、Proton VPNという名前に行き着いた人は多いはずだ。「無料なのにデータ無制限」「広告なし」「セキュリティが高い」という評判が先行していて、最初は「これだけ揃っていれば無料で十分じゃないか」と思っていた。
実際に使ってみると、確かに他の無料VPNとは一線を画す部分がある。通信量の制限がないのは本当だし、広告も出ない。セキュリティの信頼性も高い。でも使い込んでいくうちに、じわじわと「これ、思ったより制限多いな」という感覚が積み重なってきた。
速度が遅い。接続できるサーバーを自分で選べない。1台しか同時接続できない。Netflixが見られない。サポートにも頼れない。
この記事では、Proton VPN無料版の制限を正直に整理して、「無料版で十分な人」と「有料VPNに乗り換えるべき人」の判断材料を提供する。Proton VPNを使っている・検討している人に参考にしてもらいたい。
まず言っておく:Proton VPN無料版は「無料VPNの中では別格」

Proton VPNの無料版を批判する前に、正直に言っておきたいことがある。無料VPNの中では、Proton VPNは圧倒的に信頼性が高いサービスだ。
多くの無料VPNが「データを収集して広告業者に売る」「通信量に上限がある」「暗号化が弱い」「そもそも危険」という問題を抱えているのに対して、Proton VPNの無料版は通信量無制限・広告なし・ノーログポリシー準拠・AES-256暗号化対応という基本性能をきちんと備えている。スイスに本拠地を置くProton AG(ProtonMailでも有名な企業)が運営していて、プライバシー保護への取り組みは業界でも高く評価されている。
「完全無料のVPNを使いたい」という場合、Proton VPNの無料版は現時点で選べる選択肢の中でかなり上位に入る。ただしそのうえで、制限も確実に存在する。それを知らずに「無料で全部できる」と思って使い始めると、後でがっかりすることになる。
Proton VPN無料版の制限:6つを正直に解説
制限① 速度が遅い・安定しない
これが無料版で最も多い不満だ。Proton VPN無料版では「VPNアクセラレータ」という速度向上機能が使えない。さらに無料ユーザーは有料ユーザーと比べてサーバーの優先度が低く設定されているため、混雑している時間帯は特に速度が落ちやすい。
実際に使ってみた感覚としては、日本語のウェブページを閲覧する程度は問題なくできる。ただし動画のストリーミングになると、HD画質でも読み込みが遅くなることがあった。4K動画は厳しい。「セキュリティ目的でとりあえずVPNを使いたい」という用途には使えるが、「快適に動画を楽しみたい」という用途には物足りないのが正直なところだ。
制限② 接続できる国が限られていて、サーバーを自分で選べない
無料版で接続できる国は日本を含む8カ国程度に限られている。しかも2024年3月のアップデート以降、無料版では接続するサーバーを自分で選ぶことができなくなった。自動接続となっていて、特定の国に繋ぎたい場合は接続と切断を繰り返して目的の国のサーバーに当たるまで試すしかない。
「日本のサーバーに繋ぎたい」「アメリカのサーバーに繋ぎたい」という用途では、サーバーを自動で割り当てられてしまうため不便さを感じることがある。有料版では70カ国以上・数千台のサーバーから自由に選べる。この差は大きい。
制限③ 同時接続が1台のみ
無料版で同時にVPN接続できるのは1台だけだ。スマホで接続しながらPCでも使う、ということができない。「外出中はスマホで、家ではPCで使いたい」という場合、使うたびにデバイスを切り替える手間が生じる。
有料版では10台まで同時接続できる。Surfsharkなら無制限だ。1台という制限は、普段から複数のデバイスを使う人にとってはかなり不便に感じる部分だ。
制限④ NetflixなどストリーミングサービスにアクセスできないH3
無料版ではNetflix・Amazon Prime Video・Disney+などの地域制限を解除するための「ストリーミング最適化サーバー」が使えない。無料版のサーバーでこれらのサービスにアクセスしようとしても、VPNを検知してブロックされてしまう。
「海外限定のコンテンツを見たい」「海外から日本のNetflixを見たい」という目的でVPNを使いたい人には、Proton VPN無料版は適していない。この用途には有料VPNが必要だ。
制限⑤ P2P通信(トレント等)が使えない
無料版ではP2P通信(BitTorrentなどのファイル共有プロトコル)に対応していない。P2P通信を使いたい場合は有料版のP2P対応サーバーが必要になる。P2P通信を使わない一般ユーザーには関係ない制限だが、知っておいて損はない。
制限⑥ サポートがほぼ受けられない
Proton VPNのカスタマーサポートは基本的に有料ユーザー向けだ。無料版ユーザーはサポートへのアクセスが制限されていて、問題が起きたときに頼れる場所がない。ヘルプセンターのFAQを自分で調べるか、コミュニティフォーラムに頼るしかない状況だ。
VPNの設定に慣れていない初心者が無料版を使い始めると、「繋がらない」「設定がわからない」というトラブルが起きたときに詰まりやすい。NordVPN・Surfshark・ExpressVPNはいずれも24時間対応のライブチャットサポートがあり、この差は実際のところかなり大きい。
体験談:「無料版で十分」と思っていた自分が変わった瞬間

Proton VPN無料版を使い始めたのは、とにかくVPNのコストを抑えたかったからだった。「データ無制限・広告なし・安全」という条件が揃っていれば、無料で十分だろうと思っていた。
最初の1週間は特に不満がなかった。ウェブを普通に閲覧できたし、セキュリティが保護されているという安心感はあった。「これで十分じゃないか」と思っていた。
転機は、外出先のカフェでYouTubeを見ようとしたときだった。フリーWi-Fiのセキュリティが怖かったのでVPNをオンにしてYouTubeを開いたが、読み込みが遅くて動画が数秒おきにバッファリングする。VPNをオフにしたら普通に再生される。VPNをオンにするとまた遅くなる。この繰り返しが続いて、結局VPNをオフにして使うことにした。
「VPNをオフにしないと使えない」という状況は、VPNを使う意味がない。それがわかったとき、無料版の限界を感じた。その後Surfsharkの有料版に乗り換えてから、速度の低下がほぼ気にならなくなった。フリーWi-Fiでも動画が普通に見られる。「最初からこちらにしておけばよかった」と思った経験だ。
「Proton VPN無料版で十分」な人・「有料VPNに乗り換えるべき」な人
無料版で十分な人
VPNを使う目的が「フリーWi-Fiでの基本的なセキュリティ確保のみ」という人は、Proton VPN無料版でも一定の役割を果たせる。通信量の制限がなく、広告もなく、暗号化もしっかりしているので、プライバシー保護という基本的な用途には対応できる。使うデバイスが1台だけで、速度にそれほどこだわらないのであれば、無料版でも不満は少ないかもしれない。
有料VPNへの乗り換えを検討すべき人
動画ストリーミング(Netflix・YouTube・Amazon Prime Video等)をVPN経由で快適に見たい人。フリーWi-Fiを使う場面が多く、速度の低下をストレスに感じている人。複数のデバイスで同時にVPNを使いたい人。海外のコンテンツにアクセスしたい・特定の国のサーバーを自由に選びたい人。VPNのトラブルが起きたときにすぐサポートに頼りたい人。これらに当てはまる場合は、有料VPNへの乗り換えを真剣に検討する価値がある。
Proton VPN無料版と有料版・他社VPNの比較表
| 項目 | Proton VPN無料版 | NordVPN(有料) | Surfshark(有料) | ExpressVPN(有料) |
|---|---|---|---|---|
| 料金 | ◎ 無料 | 月額換算・中程度 | ○ 最安水準 | △ やや高め |
| 速度 | △ 遅め・ムラあり | ◎ 業界最速水準 | ○ 速い | ◎ 業界最速水準 |
| 同時接続台数 | ✕ 1台のみ | ○ 10台 | ◎ 無制限 | ○ 8台 |
| サーバー選択 | ✕ 自動のみ | ◎ 111カ国から選択可 | ◎ 100カ国以上 | ◎ 94カ国以上 |
| Netflix等ストリーミング | ✕ 非対応 | ◎ 対応 | ◎ 対応 | ◎ 対応 |
| ライブサポート | ✕ 無料版は非対応 | ◎ 24時間対応 | ◎ 24時間対応 | ◎ 24時間・日本語対応 |
| 返金保証 | (無料なので不要) | ◎ 30日間 | ◎ 30日間 | ◎ 30日間 |
| データ通信量 | ◎ 無制限 | ◎ 無制限 | ◎ 無制限 | ◎ 無制限 |
Proton VPN無料版から乗り換えるならこの3つ
【速度・信頼性で選ぶなら】NordVPN|無料版の遅さから解放される業界最速水準
Proton VPN無料版から乗り換えて最も速度の変化を実感しやすいのがNordVPNだ。独自プロトコル「NordLynx」の速度低下率はわずか3%という実績があり、フリーWi-Fiで動画がバッファリングし続けたProton VPN無料版との差は歴然としている。
世界111カ国に6,000台以上のサーバーを展開していて、特定の国のサーバーを自分で自由に選べる。Proton VPN無料版では自動割り当てだったサーバー選択が、NordVPNなら完全に自分でコントロールできる。Netflix・Amazon Prime Video・Disney+などへの対応も安定していて、ストリーミング目的でVPNを使いたい人にも向いている。最大10台まで同時接続でき、ノーログポリシーは複数回の第三者機関による監査済み。30日間の返金保証あり。
NordVPN[公式サイト]【コスパ重視の乗り換えに】Surfshark|同時接続無制限×最安水準でProton無料版の全制限を解消
「有料VPNに乗り換えたいが、できるだけコストを抑えたい」という人にはSurfsharkが向いている。長期プランの月額換算は大手VPNの中でもトップクラスに安く、Proton VPN無料版が抱える制限のほぼすべてを解消してくれる。
同時接続台数が無制限なので、Proton VPN無料版の「1台のみ」という制限から一気に解放される。スマホもPCもタブレットも、家族全員のデバイスも、1アカウントで全部まかなえる。速度も実用上まったく問題ないレベルで、Netflix・Amazon Primeへの対応も充実している。100カ国以上にサーバーを展開していて、接続国の選択肢も豊富だ。30日間の返金保証あり。
SurfShark[公式サイト]【安定性・サポート重視の乗り換えに】ExpressVPN|日本語サポートで初心者も安心
「Proton VPN無料版でサポートに頼れなくて困った」「VPNの設定やトラブルに不安がある」という人にはExpressVPNが特に向いている。24時間365日対応のライブチャットサポートは日本語でも問い合わせ可能で、Proton VPN無料版のサポートなし状態とは正反対の手厚さだ。
接続の安定性という点では業界トップクラスの評価を長年維持していて、速度も非常に速い。94カ国以上にサーバーを展開していて、Netflix・各種ストリーミングへの対応も安定している。Proton VPN無料版で感じていた「速度が遅い」「サーバーを選べない」「動画が見られない」「サポートがない」という不満を、すべて解消してくれる。30日間の返金保証あり。
ExpressVPN[公式サイト]よくある質問
Q. Proton VPN無料版は危険?安全に使える?
安全に使える。ノーログポリシーを採用していて、スイスの強力なプライバシー法の保護下にある。AES-256暗号化・キルスイッチも備えていて、セキュリティの基本機能は有料版と変わらない。「無料VPN=危険」というイメージがあるが、Proton VPN無料版は無料VPNの中では別格の信頼性を持っている。
Q. 無料版でどのくらいの速度が出る?
使用環境・接続サーバー・時間帯によって大きく変わるが、有料版と比べると遅くなりやすい。テキストベースのウェブ閲覧は問題ないが、HD動画のストリーミングは読み込みが遅くなることがある。VPNアクセラレータが使えないこと・無料ユーザーのサーバー優先度が低いことが原因だ。
Q. 無料版から有料版にアップグレードすると何が変わる?
接続できる国が8カ国から70カ国以上に広がり、サーバーを自由に選べるようになる。同時接続台数が1台から10台に増える。速度が向上する(VPNアクセラレータが使用可能)。Netflix等のストリーミング対応サーバーが使えるようになる。P2P通信に対応する。サポートへのアクセスが可能になる。有料版への移行は、現在使っているアカウントのままプランを切り替えるだけで完了する。
Q. Proton VPN無料版と他の無料VPN、どちらがいい?
セキュリティ・プライバシー保護という観点では、Proton VPN無料版が無料VPNの中で最も信頼できる選択肢のひとつだ。多くの無料VPNはデータを収集・販売していたり、通信量に制限があったり、暗号化が不十分だったりする。Proton VPN無料版はそれらの問題がない。ただし速度・台数・サーバー選択という使い勝手の面では、有料VPNには大きく劣る。
Q. Proton VPN有料版にするか、別のVPNに乗り換えるか、どちらがいい?
Proton VPN有料版は他社と比べるとやや割高という評価が多い。同じ費用を出すなら、速度・サーバー数・同時接続台数すべてにおいてNordVPNやSurfsharkのほうが優れているケースが多い。プライバシー保護への強いこだわり(スイス本拠地・オープンソース)を最重視するなら有料版への移行も選択肢のひとつだが、コスパ・速度・機能で選ぶなら他社有料VPNへの乗り換えを検討する価値がある。
Q. Proton VPN無料版をスマホで使うときの注意点は?
iOS・Android両対応のアプリが提供されていて、スマホでも問題なく使える。ただし無料版の制限(速度・1台のみ・サーバー自動割り当て)はスマホでも同じく適用される。バッテリー消費については、VPNを常時接続にすると10〜20%程度多く消耗することがある。節電が気になるなら、フリーWi-Fi使用時のみVPNをオンにするという使い方も一つの選択肢だ。
まとめ:Proton VPN無料版は「入門」として使って、限界を感じたら乗り換えよう
Proton VPN無料版は、無料VPNの中では信頼性・安全性の面でトップクラスだ。データ無制限・広告なし・ノーログポリシーという基本は本物で、「まずVPNを試してみたい」という入門用途には十分な選択肢だ。
ただし速度が遅い・1台しか使えない・サーバーを選べない・動画が見られない・サポートがないという制限は実在する。これらの制限に不満を感じ始めたなら、それが有料VPNに乗り換えるサインだ。
速度・信頼性を最重視するならNordVPN、コスパ・同時接続台数重視ならSurfshark、安定性・日本語サポート重視ならExpressVPNがそれぞれ向いている。いずれも30日間の返金保証があるので、「Proton VPN無料版との差」を実際に試して確かめてから判断できる。最終的にどれが合うかはご自身で判断してほしいが、無料版の制限に毎日ストレスを感じているなら、乗り換えを検討する価値は十分にある。
※本記事で紹介しているVPNサービスの料金・仕様・制限内容は変更される可能性があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。また、本記事の内容はあくまで参考情報であり、最終的なサービス選択はご自身の判断でお願いします。


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