
「ProtonVPN、無料だから使ってみたけど遅すぎて使い物にならない……」
この気持ち、痛いほどわかります。「無料で使えるVPN」として真っ先に名前が挙がるProtonVPN。データ無制限・広告なし・ノーログポリシーと、無料VPNとしては突出して優秀なサービスです。でも実際に使い始めると、動画を開いたらずっとくるくる読み込み中、ページ遷移のたびに「なんでこんなに重いんだ」とイライラ——という体験をした方が多いのではないでしょうか。
わたし自身も最初にVPNを試したのがProtonVPNの無料版でした。「データ無制限なら動画も観られる」と期待して使い始めたものの、YouTubeを開いたらまともに再生できない。画質を落としてもカクカクする。セキュリティのためにVPNを使いたいのに、これでは仕事にも支障が出る、という状態でした。
この記事では、ProtonVPN無料版の速度が遅い「本当の理由」を正直に解説し、速度を改善するための対処法と、「もう有料VPNに乗り換えた方がいいのか」という判断基準まで整理してお伝えします。
ProtonVPNとはどんなサービス?まず基本を整理

批判する前に、ProtonVPNが持つ本来の価値を正当に評価しておくことが大切です。
| 運営会社 | Proton Technologies AG(スイス) |
| 本社拠点 | スイス(5Eyes・14Eyes協定対象外) |
| 無料プランの特徴 | データ無制限・広告なし・ノーログポリシー・接続1台 |
| 無料プランの接続可能国 | アメリカ・オランダ・日本・ルーマニア・ポーランドの5ヶ国 |
| 無料プランの速度 | 5〜20Mbps程度(有料プランは速度制限なし) |
| 有料プラン(Plus)の速度 | 日本サーバーで300Mbps前後の実測値も |
| オープンソース | 全アプリがオープンソースで開発・公開 |
| 特筆すべき機能 | Secure Core(多段VPN)・Stealth(難読化)プロトコル |
ProtonVPNはProtonMailを展開する同社が開発したVPNで、スイスの強力なプライバシー法のもとで運営されています。全アプリをオープンソースで公開しており、第三者による監査も受けている点で、信頼性という観点では無料VPNの中で最高水準のサービスです。
問題は「速度」だけです。それも無料プランに限った話であり、有料プランでは速度が大幅に改善されます。
ProtonVPN無料版が遅い「本当の理由」を正直に解説
理由①:無料ユーザーは「低速レーン」に割り振られている
ProtonVPNの無料プランが遅い最大の理由は、サービスの設計上、無料ユーザーに対して帯域幅の優先度が低く設定されているためです。有料ユーザーが優先的に高速な帯域幅を使える「有料優先レーン」が設けられており、無料ユーザーは残った帯域幅を使う仕組みになっています。
これは悪意のある設計ではなく、「有料ユーザーへの対価としての優遇」と「無料でも使えるサービスを維持するための持続可能なビジネスモデル」として理にかなったものです。ただし結果として無料ユーザーは常に「速度制限を受けている状態」に置かれます。
理由②:無料ユーザーが使えるサーバーが少なく混雑しやすい
無料プランは5ヶ国のサーバーロケーションが使えますが、サーバーを手動で選ぶことができません。有料ユーザーは世界110ヶ国以上のサーバーから選べるのに対し、無料ユーザーはアメリカ・オランダ・日本・ルーマニア・ポーランドの5ヶ国のみ、しかも自動割り当てです。
世界中の無料ユーザーがこの限られたサーバーに集中するため、特に人気の高い日本サーバーは常に高負荷状態になりやすく、速度がさらに低下します。「日本サーバーを選んでいるのに遅い」という状況はこの混雑が原因です。
理由③:接続先サーバーとの地理的距離の問題
無料プランでは接続先のサーバーを手動で選べないため、地理的に遠いサーバーに割り振られることがあります。物理的な距離が大きいほど通信の往復時間(レイテンシ)が増え、速度低下につながります。有料プランでは近距離サーバーを手動で選択できるため、この問題を回避できます。
理由④:無料プランは「有料プランへの入口」として設計されている
これはProtonVPNに限った話ではありませんが、無料プランは「サービスを体験してもらい、有料プランに移行してもらうための入口」として設計されています。無料のまま完全に快適に使えてしまうと、有料プランへの移行動機がなくなるため、一定の制限を設けるのはビジネス上の合理的な判断です。
つまり、ProtonVPN無料版の「遅さ」は不具合ではなく、意図的な設計です。
わたしがProtonVPN無料版で感じた「限界」の体験談
最初にVPNを試したのがProtonVPN無料版でした。セキュリティを重視した選択としては正しかったと思います。でも実際に使い始めてすぐ、速度の壁にぶつかりました。
仕事の合間にYouTubeで動画を観ようとすると、再生ボタンを押してから読み込みに数秒かかる。画質を480pに落としてもカクカクする。「これはWi-Fiの問題かな?」とVPNをオフにしたら普通に見られる。オンにしたらまた遅くなる——この繰り返しで、「VPNをオンにすると動画が見られない」という状態になっていきました。
Webブラウジングはなんとか使えても、ページが開くまで3〜5秒かかる。ファイルのダウンロードは時間がかかりすぎて途中で諦めることも。「これでは本末転倒だ」と感じ始めました。セキュリティのためにVPNを使っているのに、遅すぎて仕事に支障が出るなら意味がない。
そのとき調べてみると、ProtonVPN無料版の実測速度が5〜20Mbps程度であることが判明。一般的なYouTubeのHD(1080p)再生には5〜8Mbps程度が必要で、余裕がなく、混雑時はHD再生がギリギリか不可能になる水準です。「無料版の速度では動画視聴は難しい」という結論に至り、有料VPNへの乗り換えを決めました。
ProtonVPN無料版の速度を少しでも改善する対処法
「すぐ乗り換えは難しい」という方のために、無料プランのまま速度を少しでも改善する方法も紹介しておきます。
①プロトコルをWireGuardに変更する
ProtonVPNはOpenVPN・IKEv2・WireGuardなど複数のプロトコルに対応しています。この中でWireGuardが最も速度低下が少ないプロトコルです。アプリの設定からプロトコルをWireGuardに変更することで、体感速度が改善することがあります。設定方法:アプリ右上の設定アイコン → 「接続」→「プロトコル」→「WireGuard」を選択。
②接続時間帯を変える
無料ユーザーが集中する時間帯(夜間・週末など)はサーバーが特に混雑します。比較的空いている早朝・平日昼間などの時間帯に使うことで、混雑の影響を受けにくくなる場合があります。
③接続先を変えてみる
無料プランでは自動で接続先が割り振られますが、アプリから無料で使える国(アメリカ・オランダ・日本・ルーマニア・ポーランド)を手動で選べる場合があります。日本サーバーが混雑しているときは別の国を試すと速度が改善することがあります。ただし日本から遠い国のサーバーは物理的な遅延が増える点に注意してください。
④不要なバックグラウンドアプリを閉じる
デバイス側の処理負荷を下げることで、VPN通信の暗号化・復号化処理に余裕が生まれ、体感速度が改善することがあります。使っていないアプリを閉じてから使うのが効果的です。
これらの対処法で改善することはありますが、根本的な制限(帯域幅の優先度・サーバー混雑)は変わらないため、あくまで「マシになる程度」です。動画視聴・大容量ファイルのダウンロード・ビデオ会議など、高速通信が必要な用途には有料VPNへの乗り換えを検討することをお勧めします。
ProtonVPN無料版 vs 有料版 — どこが違うのか
| 比較項目 | 無料版(Free) | 有料版(Plus) |
|---|---|---|
| 月額料金 | 無料 | 約3.59ドル〜(2年プラン) |
| 速度 | △ 5〜20Mbps程度(低速レーン) | ◎ 速度制限なし(300Mbps以上も可) |
| サーバー数・国数 | △ 5ヶ国のみ | ◎ 110ヶ国以上 |
| サーバー手動選択 | △ 不可(自動割り当て) | ◎ 可能 |
| 同時接続台数 | △ 1台のみ | ◎ 10台まで |
| ストリーミング対応 | ✕ 非対応 | ◎ Netflix・Amazon等に対応 |
| Secure Core(多段VPN) | ✕ 非対応 | ◎ 対応 |
| P2P/トレント | ✕ 非対応 | ◎ 対応 |
| NetShield(広告ブロック) | ✕ 非対応 | ◎ 対応 |
| Kill Switch | ✕ 非対応 | ◎ 対応 |
| 返金保証 | なし | 30日間あり |
比較表を見ると、無料版と有料版の差がいかに大きいかがわかります。速度だけでなく、同時接続台数・ストリーミング対応・セキュリティ機能(Kill Switch・Secure Core)など、実用上重要な機能のほぼすべてが有料版限定です。
ProtonVPN無料版から乗り換えるべきか?判断基準
「このまま無料版を使い続けるか、有料に乗り換えるか」の判断基準をまとめます。
無料版のままで十分な人
- 主な用途がWebブラウジングの暗号化のみ(動画・大容量通信は使わない)
- 接続するデバイスが1台のみ
- 日本・アメリカ・オランダ・ルーマニア・ポーランドへの接続で十分
- 速度が多少遅くても気にならない
- とにかくコスト0で安全なVPNを使いたい
有料VPNへの乗り換えを検討すべき人
- 動画視聴(YouTube・Netflix・Amazon Prime等)でVPNを使いたい
- 速度が遅くてストレスを感じている
- 複数のデバイスで同時に使いたい
- ビデオ会議・ボイスチャットなどリアルタイム通信でVPNを使いたい
- 日本以外の国のサーバーにも自由に接続したい
- テレワークで毎日VPNを使っている
「無料でなんとかしたい」という気持ちは十分理解できます。しかし速度への不満が大きい場合は、月数百円の有料VPNへの投資の方が「コスパが高い」という判断になることが多いです。
ProtonVPN有料版よりコスパの良い有料VPN3選
ProtonVPN有料版(月約3.59ドル〜)は他社と比べてやや高めという評価があります。同水準以下の価格でより快適な速度・機能が得られるVPNを3つ紹介します。いずれも30日間返金保証があります。
【第1位】NordVPN|速度・安全性・サーバー数すべてが業界最高水準
ProtonVPN無料版の「遅すぎる」という不満を根本から解消したい方に最もお勧めしたいのがNordVPNです。独自プロトコル「NordLynx」(WireGuardベース)による速度は業界最高水準で、VPN使用時の速度低下が5〜15%程度に抑えられます。
ProtonVPN無料版の実測5〜20Mbpsと比べると、NordVPNは元の回線速度の80〜90%以上を維持できるケースも多く、動画視聴・ビデオ会議・大容量ファイルのやり取りも快適にこなせます。YouTubeの4K動画を止まらずに再生できることは、無料版では難しいことを考えると、体感の差は非常に大きいです。
セキュリティ面ではAES-256ビット暗号化・ノーログポリシー(PwC・Deloitteによる第三者監査済み)・Kill Switch・Threat Protection(マルウェア・広告・フィッシングブロック)と最高水準です。世界60ヶ国以上8,400台以上のサーバー。同時接続6台。長期プランで月額440円前後(為替による変動あり)。30日間返金保証あり。
こんな人に向いている:ProtonVPN無料版の速度に不満を感じて乗り換えたい人・動画視聴・テレワークに使いたい人・速度と安全性を最優先したい人
NordVPN[公式サイト]【第2位】Surfshark|業界最安クラスの月額で無制限接続。コスパで選ぶなら一択
ProtonVPN有料版と比較したとき、最もコスパに差が出るのがSurfsharkです。長期プランでは月額240円前後(為替による変動あり)という水準で、ProtonVPN Plus(月約3.59ドル=約540円前後)より安く、しかも同時接続台数が無制限です。
速度面でもProtonVPN無料版とは比べ物にならないレベルで、100ヶ国以上4,500台以上のサーバーから自由に選べます。「NoBorders」モードで制限の強いネットワーク環境でも繋がりやすく、CleanWebで広告・マルウェア・フィッシングリンクをブロック。複数デバイスを家族でシェアして使えるのも強みです。30日間返金保証あり。
こんな人に向いている:コストを最小限に抑えながら快適な速度を求める人・複数デバイスやデバイスが多い家族でVPNを共有したい人
SurfShark[公式サイト]【第3位】ExpressVPN|速度と使いやすさのバランスが最高峰。初乗り換えの人に
「ProtonVPN無料版から初めて有料VPNに乗り換える」という方に特に向いているのがExpressVPNです。アプリが非常にシンプルで、接続ボタンを押すだけで使えます。「設定が難しくて失敗したくない」という初心者の不安を最小化してくれます。
速度はNordVPNと並んで業界最高水準。独自プロトコル「Lightway」でWi-Fiとモバイル回線の切り替え時の再接続が非常に速く、接続が途切れにくいです。「TrustedServer」技術でサーバーがRAMのみで動作しデータが物理的に残らない構造は、ProtonVPNに匹敵するプライバシー保護の実装です。105ヶ国以上3,000台超のサーバー。30日間返金保証あり。
こんな人に向いている:初めて有料VPNに乗り換える人・操作のシンプルさを重視する人・速度と信頼性のバランスを求める人
ExpressVPN[公式サイト]ProtonVPN・NordVPN・Surfshark・ExpressVPN 速度比較
| VPN | 速度(目安) | 速度維持率 | 月額(目安・長期プラン) |
|---|---|---|---|
| ProtonVPN(無料) | 5〜20Mbps | 低(低速レーン割り当て) | 0円 |
| ProtonVPN(Plus) | 300Mbps前後 | 高 | 約540円〜 |
| NordVPN | 500Mbps以上も可 | ◎ 最高水準(85〜95%維持) | 約440円〜 |
| Surfshark | 400Mbps以上も可 | ◎ 高い(80〜90%維持) | 約240円〜 |
| ExpressVPN | 500Mbps以上も可 | ◎ 最高水準(85〜95%維持) | 約800円〜 |
※速度は回線環境・サーバー負荷・時間帯により変動します。月額は為替レートにより変動します。
よくある質問
Q:ProtonVPN無料版はセキュリティは大丈夫?
セキュリティ面については、無料版でもノーログポリシー・AES-256暗号化が適用されており、他の無料VPNと比べて信頼性は非常に高いです。問題は速度だけで、プライバシー保護の水準は有料版と変わりません。セキュリティ重視でかつ速度は妥協できる方には無料版でも十分です。
Q:ProtonVPN有料版(Plus)に課金するのとNordVPNを契約するのはどちらがお得?
長期プランで比較するとNordVPNの方が安い場合があります(NordVPN約440円〜 vs ProtonVPN約540円〜)。速度・サーバー数・機能面でもNordVPNは優れており、ProtonVPN有料版に課金するよりNordVPNを選ぶ方がトータルでお得になることが多いです。ただしProtonVPNはスイス拠点・Secure Core機能など独自の強みもあります。
Q:ProtonVPN無料版で動画視聴は可能?
条件によっては可能ですが、快適にはほぼ難しいです。実測5〜20Mbpsの速度では、混雑時に720pのHD視聴もカクつくことがあります。4K視聴はほぼ不可能です。動画視聴がメイン用途なら有料VPNへの移行を強くお勧めします。
Q:ProtonVPN無料版で使える国は増える予定?
2026年時点では5ヶ国(アメリカ・オランダ・日本・ルーマニア・ポーランド)のまま変更はされていません。今後変更になる可能性はありますが、現時点では有料版と比べての制限は継続しています。
Q:ProtonVPN有料版の返金保証はある?
30日間の返金保証があります。ただし自動返金ではなく、解約後にサポートへ問い合わせて返金申請する必要があります。英語での問い合わせが必要ですが、日本語のままメールしても翻訳して対応してもらえることがあります。
まとめ:ProtonVPN無料版の遅さは「設計上の制限」——快適さを求めるなら有料VPNへ
ここまでお読みいただきありがとうございました。最後に要点をまとめます。
- ProtonVPN無料版が遅い理由は「有料ユーザー優先の帯域制限」「サーバー混雑」「サーバー手動選択不可」という設計上の制限のため
- 無料版の実測速度は5〜20Mbps程度で、動画視聴・ビデオ会議・大容量通信には不十分なことが多い
- セキュリティ面ではProtonVPN無料版は無料VPNの中で最高水準なので、軽いブラウジング程度なら十分
- 速度の不満が大きい場合は有料VPNへの乗り換えを検討すべき時期
- ProtonVPN有料版より速度・コスパが優れた選択肢としてNordVPN・Surfshark・ExpressVPNがある
- コスパ最優先ならSurfshark(月240円〜・接続無制限)・速度最優先ならNordVPN・初心者向けならExpressVPN
- いずれも30日間返金保証があるので、まず試してから継続を決められる
「無料でいい」という気持ちはよくわかります。でも「遅すぎてストレス」な状態が続くなら、月数百円の投資でその不満がすっきり解消される可能性があります。最終的な判断はご自身でされることをお勧めしますが、30日間返金保証を活用して一度試してみることをお勧めします。


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